【ニッキン70周年企画(6)】湘南信金、地域の待機児童解消に貢献

2025.08.12 04:40
地方創生 社会・地域貢献
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園児と触れ合う吉野社長(左)と平井さん(7月15日、湘南アイルド茅ヶ崎保育園)
園児と触れ合う吉野社長(左)と平井さん(7月15日、湘南アイルド茅ヶ崎保育園)

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日本金融通信社(ニッキン)は2025年8月27日、設立から70年を迎えます。本紙第1号が発行された1955年は、戦後復興を遂げた日本が高度経済成長期に突入する転換の年でした。あれから70年。急速な人口減少、慢性的な人手不足、デジタル化の進展など、日本は再び転換点を迎えています。新たな環境に適応するには、リスクを伴う挑戦が不可欠。「ニッキン70周年企画」の連載記事では、次の時代への「橋渡し役」として存在感を高める金融機関の姿を追いながら、10年後の金融界を展望します。連載第6回の今回は、湘南信金の四半世紀にわたる待機児童解消の活動を取り上げます。


 


湘南信金、遊休スペースで駅前保育


〝好立地〟の遊休スペースを活用して待機児童解消に貢献――。湘南信用金庫の駅前店舗に入る保育園「湘南アイルド」が長年、共働き世帯の子育てをサポートしている。


同信金は、1990年代後半に地元の要望などを受け、遊休スペースを抱える営業店の保育園併設を検討。当時は周辺に駅前保育がなく、入居希望の事業者もなく、信金主導による地元出資の保育園設立に動いた。


地域の出資者募り保育園設立


役職員らが総代や主要取引先を回って出資者を募り、茅ヶ崎営業部(旧茅ヶ崎信金本店)別館に入る「湘南アイルド茅ヶ崎保育園」では、2000年5月に法人3社と個人9人による計1000万円の出資で運営法人を設立。代表者に取引先関係者が就き、事務長には同信金の部店長経験者が出向。同年9月に開園。04年4月には、同様の形態で逗子支店内に「逗子保育園」をオープンした。


茅ヶ崎保育園は当初、認可外保育所だったが、14年に認可保育園となって入園希望者が増加。今では約100人が通う。経営も同年に、同信金で監査部長などを歴任した吉野浩二社長(72)が引き継ぎ運営。一人でも多くの保護者が子どもを押しながら通園できるよう、「ベビーカー置き場」を増設するなど〝顧客ニーズ〟を踏まえた施策や工夫を今も重ねる。


かつての卒園児が保育士に


開園から25年。卒園児が保育士と戻ってくるケースも出始めた。平井萌々香さん(22)は、04~09年に同園に通い、「学校の入学・卒業式など節目にはあいさつで保育園に顔を出していた」(平井さん)。将来の進路を考えるとき、楽しかった当時の思い出がよぎり、「園の方々にも前向きな声をいただき、保育の道に進もうと決めた」(同)。


今は乳児を担任。「園児によって関わり方が違う難しさがあるが、深く考えて投げかけた言葉などで笑顔がみられたときにやりがいをとても感じる」(同)と顔がほころぶ。


吉野社長は、保育士など約40人の職員を思いつつ、「適正な園児数を保つことによって働きやすい職場環境を作り、より質の高い保育サービスを提供していきたい」と心掛ける。


「ニッキン70周年企画」の連載第7回は8月13日に配信します。

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