東証、オルツ上場廃止を決定 売上高など虚偽申告で

2025.07.30 19:26
IPO 取引所
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東京証券取引所は7月30日、東証グロース市場に上場しているオルツの上場廃止を決めた。廃止日は8月31日。2024年10月の新規株式上場(IPO)時に虚偽の情報に基づいて承認を得ていたためで、IPOから約10カ月間という異例の短期廃止となる。


オルツは、人工知能(AI)開発のスタートアップ企業。売上高の過大計上疑惑から第三者委員会が発足し、7月28日に調査報告書を開示。21年12月期から24年12月期の売上高の8〜9割が過大計上であったことなどが明らかになった。IPO時にも虚偽情報で上場承認を得ていたと認められるため、上場廃止を決定した。


同日の定例会見でJPXの山道裕己グループCEOは、オルツの不正について「IPOや監査に関わる制度の信頼を揺るがす事態となっており大変遺憾」と述べた。監査法人、主幹事証券、東証が虚偽の情報を基にする上場を防げなかったことを踏まえ、「会社の上層部が意図的に悪意を持って騙そうとした。ここまで徹底していると、なかなか事前には察知できない」と説明。そのうえで、「監査法人や主幹事証券という市場関係者の皆さんと協力しながら(再発防止策を)考えていきたい」と話した。

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