内田・日銀副総裁、米関税「不確実性極めて高い」 利上げ姿勢は維持
2025.07.23 12:59
日本銀行の内田眞一副総裁は7月23日、米トランプ関税政策による国内外への影響について、「どういう方向に向かうのか、現在までの各国の経済データからはっきりとはわからない」との認識を述べ、「不確実性は極めて高い」との見方を示した。高知市内で開いた金融経済懇談会の講演で語った。
内田副総裁は、国内外の経済動向に対して「大きな岐路にある」と訴えた。国内物価について、米関税政策の影響が「押し下げリスクとして働く」とみる一方、食料品価格など「コストプッシュ面からの押し上げ圧力が働いている」とし、「(両面の動きが)企業の賃金・価格設定行動などを通じて、先行きの物価見通しにどのような影響を及ぼすか注目していく」と述べた。
今後の金融政策運営では、名目金利から予想物価上昇率を差し引いた実質金利が「極めて低い水準にある」ことを念頭に、日銀が示す「展望レポート(経済・物価情勢の展望)」の見通しに即して国内経済が進展した場合、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と、これまでの段階的な利上げ姿勢を維持した。
また、足元の「不確実性の極めて高い」局面における政策判断について、マクロの統計データだけでは「十分な情報は入手できない」とし、設備投資姿勢など企業行動のタイムリーな把握を意識。経営者などとの対話を通じた「ヒアリング情報」も重視する姿勢も語った。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 金融庁、粉飾対策で「第2線」注視 営業現場と連携求める
- 3メガ銀、リアル接点拡充 三菱UFJ銀、20年ぶり新店
- 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略 金利上昇で見直し加速
- ブラックロック・ジャパン、国内初の外株アクティブETF上場 AI銘柄に投資、早期100億円へ
- 信金、増える金融・保険業貸出 融資需要低下が影響か
- 三菱UFJ銀、Netflixの独占放映で 独自調査を公表
- 住信SBIネット銀、住宅ローンアプリ1年 本審査9割超に利用浸透
- <お知らせ>「金融×スタートアップ Meetup」 ~スタートアップ支援の課題と在り方を考えるイベント~【参加無料】
- 常陽銀、〝100億企業創出〟に本腰 包括支援へ157社選定
- 大手生保、生成AIがアンダーライティング代替 事務職を営業へシフト