社内外でDX進める 道廣・三十三FG社長
2025.04.26 04:40
就任から1年が経った三十三フィナンシャルグループ(FG)の道廣剛太郎社長(66)に、デジタルトランスフォーメーション(DX)や預貸ビジネスの方針を聞いた。
◇
――DXの課題は。
「当社は合併でシステム統合に力を割いていた分、DXが周回遅れだった。副社長のころから全店を訪問したが、三重県南部の東紀州などは人口減少が著しい。来店客が減り若い行員も増えづらい今、DXは不可欠だ」
――具体策は。
「2024年から、FIXERの生成AI(人工知能)サービスを活用し、預かり資産の面談記録作成を効率化している。窓口業務では、行員が手入力しなくても手続きできるタブレット端末を導入する予定だ。秋には、新たな個人向けアプリも始める。マネーフォワードXの開発で、口座開設や定期預金の申し込みなど、一通りの金融取引を可能にする」
――グループで生かしたい強みは。
「人材こそ強みだ。特に法人ソリューションの分野では、SMBCグループへのトレーニー派遣を通じてスキルを培ってきた。24年度までで累計86件を実行したポジティブ・インパクト・ファイナンスは、顧客のPRになる点でも好評だ」
――注力する分野は。
「今後は事業承継支援に一層力を入れる。資金面では、融資はもちろんファンドを活用した出資も可能だ。経営者個人の資産運用も含め全面的にサポートできる。ただし、いずれのソリューションも単年度の計数にこだわらず、中長期的に取り組む。総合的なアプローチは、預金の獲得でも効果的だ。お客さまをよく知り仮説を立てて提案する、営業の王道を進んでいきたい」
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