柳沢祥二 全国信用組合中央協会会長 「スピード感をもって会員信組を支援」
2022.01.01 04:56
苦境に陥っている中小・小規模事業者の資金繰りを支えることはもちろん、政府系金融機関との連携による資本性劣後ローンの供給を通じた財務基盤強化、事業再構築補助金等の各種公的な補助金・給付金の申請手続き支援などにより、取引先をサポートしていかなければならない。コンサルティング機能の発揮が益々求められており、人材育成・人材確保を重要課題として認識し、対応を急ぐ必要もある。
各信用組合が取引先支援を進めるにあたってのノウハウや好事例に係る説明会を全信中協で開催するなど、スピード感をもって会員の課題解決支援を具体化する。取引先支援を強化する観点から、外部機関等を一層活用しながら企画事業の態勢面を強化していく。
コロナ禍で新たな生活様式や働き方のスタイルの変化が起きつつあり、信組もデジタル化への変革を求められている。顧客・組合員のニーズを踏まえたうえで、非対面取引の拡大やキャッシュレス化を推進する必要がある。決済サービスのデジタル化については、今年10月にスタートする電子交換所への加盟対応に加え、その先にある手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた対応について業界として取り組む。
2021年2月に「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」が改正され、24年3月末までに態勢整備を完了することが求められている。現在、15信組の協力を得て金融庁マネロンチームとAML/CFTに関する勉強会を行い、業界として対応を進めている。協会としても、引き続き会員組合の態勢整備が円滑に進むようサポートしていく。
昨年12月、ゆうちょ銀行は、投資一任契約の締結の媒介業務について認可申請を行った。現状、ゆうちょ銀行の完全民営化に向けた具体的な道筋は依然として示されておらず、ゆうちょ銀行と民間金融機関との公正な競争条件が確保されていない状況が続いている。今回の新規業務等の是非については、郵政民営化法の基本理念に則り、極めて慎重に検討されることを強く要望している。
中央組織の一体化が本格化してから2年半が経過する。一体化改革を着実に進展させるためにも、全信中協・全信組連は、それぞれの役割を明確にしたうえで、一体的運営の下、新型コロナウイルス感染症拡大への危機対応をはじめ、諸課題にスピード感をもって対応していく。
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