金融界、カジュアル面談広がる 中途のミスマッチ防止へ
2025.03.09 04:50
金融界では中途入社希望者とのミスマッチを防ぐため、選考前に「カジュアル面談」を実施する先が増えている。三菱UFJ信託銀行は企業が人材に直接アプローチするダイレクトスカウトを採用工程に組み入れており、2024年度はスカウト型導入前と比べカジュアル面談は4、5割増の年200回実施する。野村ホールディングス(HD)やふくおかフィナンシャルグループ(FG)、山陰合同銀行なども本選考前に機会を設けている。
カジュアル面談は企業と求職者の相互理解を深めることが目的で、合否判定しない。気軽に話し合える場のため、応募者はワークライフバランスなどを率直に質問できるほか、企業側は自社の魅力をアピールし志望度向上につなげられる。各社が中途採用を活発化させるなか、今後も実施先が増えそうだ。
三菱UFJ信託銀は現場の社員が当該事業部のミッションや仕事内容を紹介し、候補者から質問を受けて双方のズレがないかを確認。具体的には在籍メンバーや雰囲気を伝え、候補者の経験や転職で求めるものをヒアリングする。面談者からは「業務の理解度が格段にあがった」などの反響がある。
野村HDは人事担当者が同社や募集中のポジションを説明することで、応募者の入社後の環境と業務内容のイメージ明確化を目指している。カジュアル面談を実施するタイミングはエントリー前が大半だが、志望者のニーズに応じ選考中に追加面談する場合もあるという。
ふくおかFGはエンジニアやウェブデザイナー、UXリサーチャーなどのデジタル関係職種の希望者に対し、非対面のカジュアル面談を受け付けている。