労金協、外部専門家集めて研究会 労金の新事業モデル開発へ
2024.12.04 19:08
全国労働金庫協会は12月3、4日、労金の新たな事業モデルを検討するためのイベントを東京都内で実施した。3日は、社会的金融など各分野の専門家の意見を収集する「ろうきん公開研究会」を開催。4日は、同研究会での議論をもとに、労金の実務担当者らで具体的な施策などを話し合う意見交換会を開いた。
ろうきん研究会には、会場とオンラインを合わせて127人の労金業界・協同組合の関係者らが参加。冒頭、労金協・労働金庫連合会の西田安範理事長は「変化が多く課題が多い時代だが、外部団体と連携を深めてシナジー効果を発揮し、社会的な存在意義を高められれば」と挨拶した。
その後は西田理事長のほか、日本大学の長谷川勉教授などの大学教授、日本労働者協同組合連合会の古村伸宏理事長ら10人による議論が行われた。議論のテーマは、①社会的金融の実践に向けたろうきんの役割②共生社会づくりとろうきんの事業開発――の二つ。
非営利組織(NPO)への融資をはじめとした社会的金融の実践については、明治大学の小関隆志教授から「社会課題の解決と利益の確保は背反するものではない。例えば欧米では、ソーシャルバンクなどが大手銀行に引けを取らない利益率を実現している」などの声があった。こうした議論をもとに、4日には労金協・労金連、5労金の職員らによる意見交換会を実施した。
労金界では、労金の強みを発揮できる新たな事業分野の開拓を目的に、2024年度から「ろうきんLab」を始動させている。北海道・中央・新潟県・東海・近畿・九州の6労金がパイロット機関となって開拓に向けた研究活動を進めており、今回のイベントもその一環で実施した。
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