金融庁、内部監査 高度化促す 経営陣の意識差が顕著に
2024.09.20 04:50
金融庁は、金融機関に内部監査の高度化を促す。9月10日に公表した内部監査に関するモニタリングレポートでは、規模の大小ではなく、経営陣の意識差が高度化に向けた取り組みの進捗に影響を及ぼしていると指摘。同庁は、レポートで示した好事例や課題事例を参考に、「(金融機関の)組織管理態勢の高度化につなげてほしい」としている。
レポートは、2023年10月に出した中間報告以来の公表となる。中間報告では、大手行グループの事例を掲載していたが、今回から地域銀行や信用金庫などの地域金融機関のほか、大手証券・保険会社の事例も加えた。
金融機関による高度化への取り組みの進展が確認できたものの、進捗度には顕著な差が見られた。背景には、経営陣の意識差がある。限られた経営資源の中でも、高度化に向け経営陣が積極的に関与している金融機関では、好事例で示された取り組みが多数確認できた。他方で「経営陣の意識が弱いところは、(取り組みの)発展に時間がかかっている」(同庁)。
また、一部の地域金融機関では、内部監査の自己評価が、監査部門から有益な示唆を与えられる「第3段階」に到達。従来、地域金融機関の内部監査の水準は、事務不備監査の「第1段階」から、リスク評価に基づき重点的に監査する「第2段階」に位置付けられていた。地域金融機関の監査水準が「第1段階」から「第3段階」に広がることで、同じ業態でも取り組みに差が生じているようだ。
同庁は、内部管理の高度化に向け「経営陣が主体的に取り組まなければ成果は出ない。経営陣の考え方や取り組く姿勢の意識改革が不可欠」と強調する。
※この記事は2024/10/15にfree記事に変更しました。