国交省、「リ・バース60」固定型 24年中にも提供開始
2024.08.25 04:45
国土交通省は、高齢者の住宅融資支援策を拡充する。住宅金融支援機構が展開するリバースモーゲージ型住宅ローン商品に「全期間固定金利型」を新たに加える。2024年中にも提供を開始する見通し。金利上昇局面を迎えるなか、将来の金利変動に対する不安をなくし、利用しやすい環境を整える。
同機構が提供する「リ・バース60」は、契約者が死亡した際に、担保物件を売却するなどして一括返済する商品。基本的には、借入申込日時点で満60歳以上が利用可能。資金使途は、住居の建設やリフォーム資金、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居一時金など。元本返済はなく、毎月利息だけ支払う仕組みだ。融資限度額は8000万円。
従来は、借入金利が利用者のネックになっていた。リ・バース60は変動金利型の商品で、同機構が提供する住宅ローン「フラット35」のような固定金利型とは異なる。そのため、将来の金利変動に伴って、年金で生活する高齢者の毎月支払う利息が変動し、支払額が増える懸念があった。
契機となったのは、今国会で成立した改正住宅セーフティネット法だ。法改正により、同機構の証券化支援事業に高齢者向け全期間固定金利型住宅ローンが追加された。
同機構は、24年中に固定金利型のリ・バース60の提供を始める見通し。詳細は今秋以降に公表予定だが、国交省によると、商品性などは「基本的に変わらない」という。
普及に向け、民間金融機関との連携も重要になる。リ・バース60の取扱金融機関数は、23年度末時点で88機関。地域銀行は44行で、地域銀全体の4割強にとどまっている。国交省の関係者は「営業現場での情報提供がよりしやすくなるよう支援していきたい」と話す。
【国交省の関連記事】
・ 国交省、既存住宅の適正評価へ 地域金融との連携促す
・ 国交省、投融資で都市を緑化 事業認定し金融支援
・ 国交省、洪水リスク評価の手引き 将来損失見込み可視化
・ 国交省、財投で交通・物流を変革 地域金融へ協調融資促す
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 静岡銀、桃鉄金融ゲーム普及へ 地域課題と投資学ぶ
- 金融庁、接触頻度を調査 「ゼロゼロ融資のみ」の取引先対象に
- 野村証券調布支店、課題解決起点で収入倍増 相続・不動産活用切り口に
- 3メガ銀、女性管理職3割近づく 三菱UFJ銀29.2%
- 地域銀・信金、内部の「再生人材」育成 外部研修で支援手法学ぶ
- みずほ信託銀、銀座に新たなランドマーク 地権者のビル開発支援
- 金融庁、監督・検査体制を一体化 総括審議官がモニタリング指揮
- 野村AM、地域銀の退職者助言を支援 〝60代だけ〟新部署が始動
- 阿南信金、手束理事が新理事長に 30年ぶりのトップ交代
- 千葉銀・千葉興業銀、「経営統合を含め対話継続中」 一部報道でコメント