日銀金沢支店長の大川氏 震災から「まずは生活再建を」
2024.06.17 18:48
日本銀行金沢支店長の大川真一郎氏(52)が6月17日、就任記者会見を開いた。大川氏は5月に金沢支店次長に就き、1カ月の準備期間を経て支店長に就任。前支店長の吉濱久悦氏は検査室検査役に就く。大川支店長は1月1日の能登半島地震について、「まずは生活再建」が重要との考えを示した。
大川氏は次長として1カ月間、輪島市などの被災地を含め北陸3県を回った。そのうえで、「地域をもう一度活性化するにはどうするかという話はもちろんだが、まずは生活再建をどうしていくか。具体的にどういう形で事業をもう一度復活させて行くのか」こそが重要だと説明。「これは東京にいた時では分からなかった大きな課題だ」と述べた。
北陸経済については、「能登半島地震からリカバリーしていく状況にある」と分析。北陸新幹線の延伸効果というプラス面がある一方で、震災のダメージを受けている企業も多いとし、「それがどうなるかは道半ばという印象」だと話した。地域経済活性化には「日本銀行ができることがあるのであれば考えていきたい」とした。
観光については「歴史的な蓄積による文化遺産が多い」とし、「これをどのように生かして行くのか。古き良きものをしっかり受け継ぎながら新しい要素を加えていくのかが、これから課題になるという印象を持った」と語った。
大川真一郎(おおかわ・しんいちろう) 神奈川県出身、52歳。94年東大卒、入行、政策委員会室企画役、金融市場局企画役、政策委員会室企画役を経て2016年ワシントン事務所長、18年企画局参事役兼政策委員会室参事役、21年松本支店長、22年国際局参事役、24年5月金沢支店次長。