SBIHD北尾社長、新生銀TOBは「建設的」 買い付け価格は増やさない
2021.10.28 20:18
SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は10月28日の決算会見で、新生銀行に対して実施している株式公開買い付け(TOB)について、敵対的ではなく「建設的だ」と強調した。さらにTOB成立後の施策などを説明し、同行の業績向上に自信を示した。
北尾社長は同行について、「なぜ業績が上がらないのか」「早く買収してくれ」といった同行関係者から手紙が届いていることを明らかにした。その上で「ビジョンや理念がない会社」と、自身の感想を述べた。
業績については、SBIHDが右肩上がりなのに対して新生銀は微減であることを指摘。預金残高では住信SBIネット銀行が上位となり、2行を合わせると地銀3位になると強調した。
TOB成立後は、個人顧客や地域金融機関、金融法人、事業法人など各事業を戦略的に取り組むことで、同行の企業価値向上に貢献できるとの考えを示した。
TOBの条件について北尾社長は「買い付け価格(2000円)を増やすつもりはない」と言明。このほか同行が要求するTOB条件の変更などについては言及しなかった。
これとは別に、資本業務提携する地域金融機関については、有価証券運用の高度化やフィンテックへの取り組みなどによって業績が向上したと述べた。今後、さらに地域金融機関と一体となって地方企業への投融資などを通じ、「地域産業基盤の活性化を目指す」と話した。