日本動産鑑定、「企業価値担保権」に行職員ら200人 金融庁幹部が講演
2024.04.19 20:56
日本動産鑑定は4月19日、「企業価値担保権」をテーマにした講演会を東京都内で開いた。金融庁や経済産業省などから講師を招き、法制化の背景や金融機関に期待する取り組みを説明した。地域金融機関の行職員ら約200人が会場を訪れ、講演に聞き入った。
企業価値担保権は、無形資産も含む事業全体に対する担保制度。中小企業が、事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくすることが目的。今年3月、企業価値担保権の創設などが盛り込まれた法案が国会に提出された。
金融庁の若原幸雄参事官は、スタートアップ向けや事業再生などで活用する事例を示したうえで、「従来型担保を使った融資が合理的であれば、企業価値担保権を無理に使う必要はない。あくまで選択肢が増えるということ。ただ、従来型で融資が難しい場合は積極的に活用してほしい」と呼びかけた。経済産業省の松村光泰課長補佐は、企業価値担保権について「ABL(動産担保融資)にも通じる制度。立法趣旨は重なる部分が多々ある」と語った。
日本動産鑑定の久保田清理事長は「法制化後には、全国の金融機関や中小企業へ向けて普及活動に全力で取り組みたい」と強調した。
