MUFG 新3カ年中期経営計画、財務目標ROE9%程度めざす
2024.04.01 17:19
「MUFG 新3カ年中期経営計画、財務目標ROE9%程度めざす」ニュースの要約
・三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2024年度から3年間の新中期経営計画を策定
・金利環境の変化に対応し、バランスシートの収益性向上や既存ビジネスの強靭化、新チャネルでの接点拡大に取り組む
・26年度の財務目標としてROE(自己資本利益率)9%を目指す
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、2024年度から3カ年を期間とする新中期経営計画を策定した。金利環境の変化を踏まえたバランスシートの収益性向上や、既存ビジネスの強靭(きょうじん)化、新チャネルでの接点拡大などに取り組む。財務目標には26年度ROE(自己資本利益率)9%程度を目指す。
4月1日に発表した。計画期間を「成長」を取りに行く3カ年と位置付けた。成長戦略の進化とともに社会課題解決への貢献に取り組むほか、経営基盤強化やカルチャー改革を進める。
ニッキンオンライン編集デスクの目
大手金融機関の中期経営計画は、2000年代初頭のメガバンク時代 突入以降、経営統合によるシナジー効果の追求からグローバル展開による収益基盤拡大に重点を移してきた。2010年 代にはデジタル技術を駆使したフィンテックが主要テーマとなり、2020年 代に入るとサステナビリティファイナンスへの取り組みも加わる。
MUFGの新中期経営計画が目指すROE9%という数値は、グローバルな競争環境を意識したものだ。欧米の大手銀行がROE10〜15% を達成している中、日本の銀行は長らく10%以下 にとどまってきた。
格差の主因は日本の低金利環境と預貸業務における利ざやの縮小にある。バランスシートの収益性向上は、金融政策の転換点を迎えた日本の銀行セクターにとって重要な経営課題だ。日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)修正と政策金利の引き上げによって、収益改善の期待は高まっている。
グローバル金融市場では、フィンテック企業やビッグテックの台頭によって伝統的な銀行業の競争環境が大きく変化した。そのため、MUFGを含む国内のメガバンクには、既存の強みを活かしながら、新たな付加価値の創造に向けた中期経営計画が求められている。データの活用による顧客理解の深化や、エコシステムの構築による新規事業創出など、従来の銀行業の枠を超えた取り組みも重要になるだろう。
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