日銀仙台支店、「持ち直し幅緩やか」 景気判断を引き下げ
2024.03.25 18:18
日本銀行仙台支店は3月25日、東北地区の経済の動きを発表した。東北地区の景気は「緩やかに持ち直している」とし、2023年2月以来1年1カ月ぶりに判断を引き下げた。
需要項目別動向で、個人消費は「緩やかに回復している」とし、「回復している」から下方修正した。自動車メーカーの生産停止や、暖冬により季節商材の消費が伸び悩んだことが影響した。一方、一時的な動きであるとの見方も示し、これらの要因が剥落すれば景気が立ち直る可能性は高いという。
公共投資は「横ばい圏内の動きとなっている」、設備投資は「増加している」、住宅投資は、堅調だった貸家も含め「弱い動きとなっている」とし判断を据え置いた。
また、雇用・所得環境は「改善している」、消費者物価(除く生鮮食品)は「食料品などの価格上昇により、前年を上回っている」と判断を据え置き。名目賃金はほぼ横ばいながらも伸び率を高め、物価上昇も賃金の増加により上昇幅は減少しているとした。
岡山和裕支店長は、「賃上げは大企業だけでなく、中小企業にも波及している。また、サービス価格を中心に足元は堅調で、一部に価格転嫁の動きが進んでいる」と判断している。今後については、「個人消費の回復の勢いと、企業の積極的な設備投資スタンスについて注視していく」とした。
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%