静清信金と三島信金がSLL 信金中金の支援活用は全国初
2024.03.15 19:23
静清信用金庫(静岡市、佐藤徳則理事長)と三島信用金庫(静岡県、高嶋正芳理事長)は3月15、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の取り扱いを開始した。2023年8月に信金中央金庫が開始したSLLフレームワーク組成サポートによる全国初の商品化事例。両信金は24年度に10件ほどの利用を見込んでいる。
静清信金のSLLは融資金額1000万円以上2億円以下、期間は最長10年。利用企業にサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)として野心的な二酸化炭素(CO2)排出量削減目標設定してもらい、達成状況に応じて金利が変動する仕組み。達成時には翌年の金利を0.3%引き下げる一方、引き下げ後、目標未達となった場合は0.3%引き上げる。
三島信金のSLLは期間10年以内で、融資金額は1000万円以上。申込時から金利を通常より0.2%引き下げ、SPTsが2年連続未達の場合、通常金利に戻す。未達の場合は伴走支援も行い、達成できれば再度、金利を下げる。
信金中金のスキームは個別案件ごとの評価ではなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)評価機関が金融機関の策定するSLL提供に向けたフレームワークを評価するもの。信金中金は、評価を受けるための、申請書や業務フロー図など約20ページに及ぶひな型の提供や、各部署の役割分担を始めとした態勢整備、格付投資情報センター(R&I)からのオピニオン取得までを無料で支援する。
SLL提供に向けた支援を実施する信金中金地域創生推進部グリーンプロジェクト推進室によると、支援を望む信金は多く、24年度には約10信金のSLLの取り扱い開始を見込んでいる。
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