MUFG、25年に個人向け新基盤開発 出資するウェルスナビと共同
2024.02.14 19:21
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、ロボアドバイザー最大手のウェルスナビと共同で総合アドバイザリー・プラットフォーム「Money Advisory Platform(MAP)」を開発に着手する。2025年中にリリースし、個人に向けて既存の資産運用サービスに加え、生命保険、年金など継続的な商品提案を行う。
MAPは年齢や家族構成などの顧客データを収集し、アルゴリズムを活用することで一人一人に最適な金融商品を提案するサービス。MUFGのウェブサービスやアプリを利用する約960万人の個人顧客の利用を想定し、三菱UFJ銀行のウェブサービス「三菱UFJダイレクト」からの導線や有人店舗での対面相談の仕組みも検討する。
個人のデジタルサービス接点を強化するMUFGと、資産運用を含めた幅広い金融サービスの展開を目指すウェルスナビの方向性が一致したことで両社が手を組んだ。MUFGはウェルスナビのUI・UXや開発力に期待し、デジタルサービスを利用する働く世代を中心とした新規顧客の拡大を見込む。ウェルスナビはMUFGの顧客基盤を活用することでより早く事業規模を広げ、サービスを軌道に乗せたい考え。
柴山和久CEOは2月14日の会見で「資産運用サービスを展開するなかで、顧客から年金や保険などの相談ニーズが出ていた」と経緯を語った。
MAPの開発および既存のロボアド事業の強化に向けて、MUFG傘下の三菱UFJ銀行がウェルスナビと資本業務提携すると同日発表。同行はウェルスナビが3月に実施する第三者割当増資を引き受けて約150億円出資する。出資比率は15.5%となる見通しで、同社を持分法適用会社とする予定。また、同行から社外取締役1人を派遣する。
両社は20年から共同で銀行顧客向けにロボアドサービスを提供してきた。ウェルスナビは16年7月にサービスを開始。その後も新機能のリリースを続け、国内ロボアド市場では預かり資産、運用者数ともに1位の規模。24年1月には預かり資産が1兆円を突破した。