マーケット・トレンド(債券) 米国10年債利回りは4.0%割れ
2023.12.20 04:25
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが見送られるとともに、24年に3回程度の利下げ(計0.75%)が行われるとの示唆が行われた。
24年の利下げのイメージについては、前回9月の2回(計0.50%)から若干増えた程度だが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「インフレが完全に収まる前の段階での利下げ」が可能であるとの発言を行い、米国債利回りが大幅に低下した。
10年債利回りはFOMC終了の翌営業日に4.0%を割り込んでいる。
現時点では米国の雇用や物価、そして消費の伸びの鈍化は非常に緩やかなペースでしか進んでおらず、FRBが24年入り後早々に利下げに向かうことは想像し難いが、ただ、パウエル議長の発言は「インフレが完全に収まるまでは利下げを行わない」としていた、これまでのスタンスとは完全に異なるものと言える。
米国債先物を大幅に売り越してきた投資家において、強い買い戻しのきっかけとなった格好だが、そもそもこれまでは投機的な先物売り等で債券利回りが上がり過ぎていたとも言える。
このまま一気に米国債利回りが低下することはなさそうだが、上昇し難くなったことも事実であろう。
SMBC日興証券金融経済調査部 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎氏
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%