マンスリーマーケット(12月) 中銀動向が気になる年末相場
2023.11.27 04:25
年の瀬も近づく中であるが、市場参加者にとっては経済イベントに追われながらの忙しい12月となりそうである。特に注目されるのは日銀の動向だ。日銀は、12月4日に第1回となる「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップを開催する。
この〝レビュー〟は、4月に実施が決まり、過去四半世紀の非伝統的金融政策手段の効果と副作用を分析するものとなる。市場には、第1回レビューの議論・データが、一段の金融政策正常化を進める呼び水となるとの見方もある。12月18、19日には日銀会合を控える。レビューが今後の金融政策にどのような影響を与えるのか、総裁の発言が注目される。
欧米中銀の会合にも関心が高い。12月12、13日に開催されるFOMCでは四半期開示のドットチャートが示される。追加利上げへの警戒はかなり低下しているため、現時点で連銀メンバーが来年末の政策金利をどの程度で見ているのかが注目だろう。
ECBは前回会合で11会合ぶりに政策金利を据え置いた。ただし、ECBのラガルド総裁は金利据え置き期間がしばらく続くと示唆している。欧州景気の基調が心もとない中、どのようにインフレ抑制とバランスを取っていくのか確認が必要だ。
中銀イベント以外では、12月13日に発表される日銀短観が注目。設備投資計画が堅調さを保っているようだと、国内景気の堅調見通しを支える材料となりそうだ。
大和証券 日米株チーフストラテジスト 坪井 裕豪氏