日銀・植田総裁、金利上昇も金融機関「十分な体力維持」 名古屋で懇談会

2023.11.06 19:17
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会見で説明する植田総裁(11月6日、名古屋東急ホテル)
会見で説明する植田総裁(11月6日、名古屋東急ホテル)

日本銀行は11月6日、名古屋市の名古屋東急ホテルで金融経済懇談会を開催。植田和男総裁が会見し、金融政策で重視しているポイントや金融機関の経営について語った。


植田総裁は会見で、金融政策を判断する際の指標である物価目標について、「賃金が継続的に上昇しているか、上がる賃金が物価に波及しているか」が重要と指摘。ただ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の時期については、現時点で分からないとした。確認の際には、大企業だけでなく中小企業の賃上げについても、「さまざまなデータや今回のような懇談、ヒアリングで総合して判断する」と述べた。


地域金融機関が保有する有価証券が金利上昇で含み損を抱えるリスクにも言及。植田総裁は、「注意してモニタリングし、シミュレーションしているが、十分な体力を維持している」と分析。その上で「個別性もあるので注視したい」と語った。


懇談会では、金融緩和について経済を下支えする効果が評価された一方で、新陳代謝や財政規律に及ぼすマイナスの影響も指摘されたという。


この懇談会には、名古屋銀行協会の高原一郎会長(三菱UFJ銀行副頭取)のほか、名古屋商工会議所、中部経済連合会など経済団体から代表者が出席した。

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