三井住友THD、純利益予想850億円へ下方修正 ベア型投信で評価損
2023.10.30 16:17-1.webp)
三井住友トラスト・ホールディングス(THD)は10月30日、2024年3月期の連結純利益を下方修正し、当初予想の2000億円から約6割減の850億円にすることを発表した。日本株が想定以上に上昇したことから、株価下落時のリスクヘッジとして保有していたベア型投資信託の評価損が広がったことが主な要因。
ベア型投信はデリバティブを利用し相場が下落することで利益が上がる仕組みで、三井住友THDは東証株価指数(TOPIX)を中心に日本株に連動するベア型投信を保有していた。企業の業績向上を想定に織り込んでいたものの、円安による物価高騰などコロナ禍以降のデフレからインフレへ向かう日本の社会変化を見誤ったことで想定以上に評価損が拡大した。
今回、さらなる株価上昇に伴う将来のリスク低減を目的に、評価損率の高いベア型投信を売却するなど会計上の損失処理を実施した。一方、本業を示す実質業務純益は順調に推移し、通期予想を当初比100億円増の3300億円に引き上げ、配当金は通期220円に据え置く。同社の渡部公紀・執行役員財務企画部長は「PL(損益計算書)にはマイナスであるものの、企業価値への影響はニュートラル」としている。
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略 金利上昇で見直し加速
- 三菱UFJ銀、Netflixの独占放映で 独自調査を公表
- <お知らせ>「金融×スタートアップ Meetup」 ~スタートアップ支援の課題と在り方を考えるイベント~【参加無料】
- 福島銀、貸金庫サービスを廃止 26年3月末で
- 改革の旗手 藤原一朗・名古屋銀行頭取、「健康経営」で日本変える
- 高知銀、投信販売体制を再構築 営業店はマス層のみに
- おくやみ 濱詰健二氏が死去 小浜信用金庫理事長
- 埼玉県と県産業振興公社、業態超え新現役交流会 全国初、同一県の9機関協力
- 中企庁、成長企業の人材課題解決 中小機構が3事業本格化
- 東海東京FHD、地域銀と合弁証券好調 預かり資産3兆円突破