マンスリーマーケット(11月) 「軟着陸」を希求する世界経済
2023.10.30 04:30
10月に入りイスラエル・パレスチナ問題が勃発。景気の先行きが警戒される事態となった。地政学リスクがコントロールされるかどうかが、注目だろう。米国で11月中旬にAPEC首脳会議が開催され、付随して米中首脳会談が行われる可能性がある。米中首脳が、外交チャネルを維持する姿勢を示せば市場にはポジティブと考えられる。
11月も米景気軟着陸の可否への関心が高い。11月17日には、米連邦政府のつなぎ予算の期限を迎える。前回の連邦予算を巡る混乱のなかで米格付け機関から米国債の信用格付けへの影響を示唆するコメントがあった。仮に政府閉鎖となれば、米景気へのマイナス影響や米国債格付けへの不安も気を付けなければならない。
一方、米国では本格的にホリデー商戦(年末商戦)が始まる。緩やかな景気鈍化の影響があるにせよ、底堅い消費動向となると景気軟着陸への確度が高まる可能性があろう。
日本株市場にとっては、こうした海外情勢への見極めが必要になるものの、国内には固有の支援材料も多い。例えば、政府の追加経済対策が景気下支えに繋つながるとの期待がある。
加えて、11月には3月期決算企業による中間決算が本格化する。足元の円安傾向を踏まえ、通期業績が上方修正されるとの期待が依然強い。日本株は相対的に底堅い推移が期待できると考えている。
大和証券 日米株チーフストラテジスト 坪井 裕豪氏
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