マーケット・トレンド(株式) 日本が変わるという期待が株高の背景
2023.10.24 05:05
株価は、企業業績や金利などのファンダメンタルズと、それをいかに評価するかという投資家のセンチメントの掛け算で表すことができる。そのセンチメントを改善させる大きな変化が日本に起きていると考える。
まず、マクロ環境の変化である。デフレが終わりインフレの時代に転換しつつある。その変化が企業や家計の行動変容を促す。具体的には、これまでひたすら内部留保するだけだった企業は設備投資や人的資本投資におカネを使い始めた。インフレ環境下では家計でも貯蓄から投資の動きが今度こそ起きることが期待できる。
二つ目の変化は企業自身の変化だ。東証の資本効率改善要請もあって、企業はより利益率の高いビジネスを追求する一方、価値を生まない現金の使い方として自社株買いや増配を行っている。この流れが続けば日本企業のROEも向上するだろう。
三つ目の変化は政策である。来年から始まる新NISA制度や資産運用立国の構想など政府の本気度の高さは海外投資家からも注目されている。こうした変化が投資家に評価された結果が今年度前半の株高をもたらした。
直近では海外情勢などで株価は足踏みが続いているが、これらの大きな変化が加速していけば株価は再び上昇基調に戻ると思われる。
マネックス証券 チーフストラテジスト 広木 隆氏
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