日銀仙台支店、サービス消費回復でDI改善 東北9月短観
2023.10.02 20:23
日本銀行仙台支店は10月2日、東北地区の「企業短期経済観測調査(2023年9月)」(短観)を発表した。全産業の業況判断(DI)は「プラス1」で前回23年6月調査から2ポイント上昇し、3期ぶりのプラスとなった。特に、対個人サービスや宿泊・飲食サービスが過去12年間で最高水準となったことがけん引した。
製造業全体では「マイナス14」と6月比2ポイント低下。14業種中5業種が改善、7業種が悪化した。改善した木材・木製品、金属製品などは価格転嫁が進展した。一方、悪化したはん用・生産用・業務用機械や電気機械は、海外経済動向の鈍化による電子部品の減産が要因。
非製造業全体では「プラス10」で前回から5ポイント上昇。内訳は、9業種で改善し、3業種で悪化した。これは19年3月調査と同等水準で、「コロナ禍前の水準に戻ったといえる」(岡山和裕支店長)と分析する。
宿泊・飲食サービスは「プラス4」と6月比で24ポイント上昇。対個人サービスは「プラス35」で26ポイント上昇と、11年9月以来過去最高水準となった。サービス消費需要の回復や価格転嫁の進展が背景。悪化した卸売、運輸・郵便は、コストアップを受けた収益の減少が影響した。
先行きは全産業で「マイナス2」、製造業で「マイナス10」、非製造業で「プラス4」とした。
岡山支店長は会見で、「新型コロナの5類移行で人流が戻り、経済活動が進展している。一方、仕入れ価格の上昇をいかに販売価格へ転嫁していくかが論点となっていく」と話した。
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