金融庁、大手損保などへ報告徴求命令 ビッグモーター問題で

2023.08.01 17:17
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ビックモーター会見
険しい表情で質問を聞くビッグモーターの兼重宏行前社長(7月25日、東京都港区)

金融庁は7月31日、中古車販売大手のビッグモーター(東京都)による保険金不正請求問題を巡り、同社と損害保険会社7社に対して、保険業法に基づく報告徴求命令を出した。


同庁では、監督上の対話を通じて損保各社から日常的に報告を受けている。ただ、今回の事案では実態を正確に把握するため、法的権限を持った形で報告を求める。


報告徴求命令の対象となった損保会社は、ビッグモーターと保険代理店の委託契約を結んでいる大手4社と中堅3社。大手損保が同社に出向者を派遣していたことを踏まえ、「出向者の役割が何か不正の温床になってしまったようなことがあるのか」(金融庁)を含め全体像の把握に努める。


不正が行われた板金部門を含め、2011年から計37人の出向者を派遣していた損害保険ジャパンとビッグモーターの関係性も調べる。損保ジャパンに対し、「出向者や(かつて損保ジャパンがビッグモーターの大株主だった)株主関係も含めてしっかり実態調査する」(同)構え。そのうえで、同庁関係者は「問題があれば必要な処分をしっかり考えなくてはいけない」と強調した。


損保ジャパンは7月28日、ビッグモーターとの保険代理店の委託契約を終了すると発表。あわせて、同社に損害賠償責任を求めていく方針も示した。8月1日には、契約者の問い合わせに応じる専門部署を立ち上げた。


関東財務局は7月28日、ビッグモーターの取締役に対して任意のヒアリングを実施。内部監査体制やガバナンスの機能不全を問題視しており、「保険代理店としてちゃんとやっているかどうか」(同)の観点から事実関係を聴取した。今後、保険契約者保護に欠ける問題が見つかれば、立ち入り検査や業務改善命令などに発展する可能性がある。


【関連記事】鈴木金融相、損保7社などに報告徴求命令

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