山梨中央銀、排出権取引に注力 県有林の吸収量を購入
2023.07.19 04:40
山梨中央銀行は、温室効果ガス(GHG)の削減・吸収量を買い取り、排出量を相殺するカーボン・オフセットの取り組みに力を入れている。銀行業務のほかコンサートや祭り、スポーツイベントなどでのGHG排出に対して「やまなし県有林オフセット・クレジット(J-VER)」の購入や売買マッチングを進める。10月にはカーボン・オフセットイベントの開催を支援する。地域のGHG排出量を削減し、脱炭素化に対する意識向上につなげる。
同行は10月21日に「TGC FES YAMANASHI 2023」に協賛企業として参加する。全国的なファッションイベント「東京ガールズコレクション」を運営するW TOKYO(東京都)と、山梨県が河口湖ステラシアターで開くもの。初開催だった昨年は、イベントチケットを購入するチケット協賛により貢献した。
今回は運営者や出演者、参加者の移動によって排出される二酸化炭素(CO2)や会場のエネルギー使用によるCO2の排出分、合計約70トン分のJ-VERを買い取る形でも協賛。W TOKYOが開催する初のカーボン・オフセットイベントとなり、環境に配慮したイベントとして若年層を中心に認知拡大や集客増を期待する。地方創生推進部は「これを機に地元のお祭りなど地域のイベント主催者に向けた積極的な提案につながれば」と話す。
また、銀行業務で発生する温室効果ガスの相殺も始めた。店舗外ATMの稼働により排出されるCO2分のJ-VERを購入する試みで、今回は2022年度に10拠点(15台)で発生した32トンが対象となる。今後も1年ごとに前年度の排出量を買い取る方針で、CO2削減に取り組みつつJ-VER購入の対象を全ての店舗外ATMに広げていきたい考え。
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