JAグループ、新興企業と連携し育成 外部への留学制度新設
2023.07.14 04:50
JAグループは、共同運営する新事業創出拠点「AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)」が有する新興企業(スタートアップ)との人脈やノウハウを活用した人材育成に取り組んでいる。系統の全国組織8団体の職員らが事業創出の手法を学ぶ「JAイノベーターズブートキャンプ」は、これまでに90人が参加。2023年度からは職員がベンチャー企業に留学する制度を新設し、上期中にも初の利用者が出る見込みだ。
キャンプの主な参加対象は社会人10年目前後の職員。期間は5カ月間で、起業家がメンターを担当する。参加者は全7回のキャンプを通じて、JAグループの経営資源を活用して実現可能なビジネスを検討。最終回には8団体役員への発表も行う。次世代リーダー育成やグループ横断的な交流の活発化が狙いだ。
20年から毎年実施しており、23年も11月から開く。回を重ねるごとに人気は高まっており、参加者のすそ野は県域・JAにも拡大している。一部の案件では、担当部署レベルに落とし込み企画実現に向け検討も進んでいる。
留学制度「Next Stage」は、失敗を許容する組織風土を学んでもらうほか、社外ネットワーク構築などを目的に創設した。半年~2年間のフルタイム勤務を経験する「出向スタイル」と、3カ月~半年間にわたり毎月約30時間働く「兼職スタイル」をそろえた。
留学先候補は足元で、新興企業向けピッチイベント「JAアクセラレータープログラム」の採択企業を中心に約20社。JAグループという大きな組織で培った調整力やコミュニケーションスキルを活用できるほか、同グループとの協業促進も図れるため受け入れ企業のメリットもある。アグベンチャーラボは「両者の事業シナジーを通じて新サービス開発などにつながれば」としている。
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