MUFG、保有公園を一般開放 外部委託で交流広場に

2023.06.26 04:30
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環境に配慮し“段ボールカット”を行う亀澤社長(中央、右から2人目は西東京市の池澤隆史市長、6月25日)
環境に配慮し“段ボールカット”を行う亀澤社長(中央、右から2人目は西東京市の池澤隆史市長、6月25日)

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は6月26日、三菱UFJ銀行が西東京市に保有する福利厚生施設(公園)の運営・管理を外部委託し、「MUFG PARK」として新装オープンする。自然やスポーツ、コミュニケーションの機能を備えた「新しい交流広場」を創出する狙いがあり、金融業界でこうした保有施設を一般開放するのは国内初という。


東京ドームの1.3倍


MUFG PARKは、都市公園の運営実績が豊富な複数の企業でコンソーシアムを組みノウハウを結集した点が特徴。植栽管理は石勝エクステリア、スポーツ施設運営は東急スポーツシステム、バーベキュー(BBQ)施設運営は東京バーベキューサービス、ライブラリー運営はまちライブラリー、コミュニティデザインなどは石塚計画デザイン事務所に任せ、これらの事業を統括する石勝エクステリアと三菱UFJ銀が包括運営委託契約を結んでいる。


PARK内の敷地は約6.2ヘクタールと東京ドームの1.3倍の広さを誇る。サッカーなどができるグラウンド(1面)、テニスコート(11面)、ライブラリーのほか、BBQ施設のある芝生広場、豊かな自然が保たれる樹林地なども含め機能や魅力が満載だ。



寄贈本によって蔵書数は約8000冊に上る「まちライブラリー」(6月25日)
寄贈本によって蔵書数は約8000冊に上る「まちライブラリー」(6月25日)

環境問題に配慮した設備もある。ライブラリーやパークオフィスが環境に配慮した設計で「ZEB Ready」(外皮の高断熱化と高効率な省エネルギー設備を備えた建築物の名称)を取得。また、電動二輪車用バッテリーが調達できる「Gachaco ステーション」を設置し、脱炭素に貢献するほか防災時の蓄電池としての活用も想定する。


SDGsの体験学習も


園内プログラムとしてSDGs(持続可能な開発目標)の体験学習の機会も提供する。例えば、「食・農体験」では近隣農家の協力を得ながら畑で野菜を育て収穫後にはPARK内で調理して食べるほか、食や地域農業の学習を行う。また、「防災をテーマとした体験学習」では近隣団体と連携して災害時に役立つ火おこし体験やタープ張り、防災フェスなどのイベントを実施する。


 こうしたプログラムやイベントなどを企画したのがMUFGの社員有志による「社内アンバサダー」だ。22年7月~23年2月の5回にわたってワークショップを実施し、「自然」「食」「スポーツ」「健康」「防災」をテーマに5チームに分けてアイデアを披露。社員が主体的に社会課題と向き合い、エンゲージメントを高める機会にもつながった。


メガバンクを始め金融機関ではこれまで経費削減の観点から保有する福利厚生施設を売却するケースが多かった。MUFGは都心部で広大な緑地を持つ公園施設のあり方として地域や社会、従業員双方の期待に応えるためにも一般開放した方がよいと判断。都市化に伴い緑被率や樹林地面積が年々減少する西東京市と2021年5月に協定を締結し、開園の準備を進めてきた。


6月25日のオープンイベントに出席したMUFGの亀澤宏規社長は「MUFG PARKがこれからも地域や利用者の皆さまとともに、居心地の良い楽しい場所となるよう育てていきたい」と語った。

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