豊和銀下郡支店、経営課題解決へ伴走支援 設備資金を15億円実行
2023.05.08 04:40![取引先の自動車整備業者の役員と談笑する首藤支店長(左、4月10日)](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/ON0512豊和銀下郡支店.webp)
豊和銀行下郡支店(首藤大吾支店長=行員12人うち渉外3人)は、取引先の経営課題の解決に向け、伴走支援に取り組んでいる。最適な改善策を提案し、取引先の成長につなげる。2022年度は設備資金15億円を実行した。
首藤支店長は19年11月に着任した。営業エリアは建設業や産業廃棄物処理業など全取引先200先のうち第二次産業が4割を占める。
社長との面談では経営課題の掘り起こしを徹底する。課題解決や取引先の成長に向けて資金ニーズを喚起。新たな設備を導入後の費用対効果や返済計画などシミュレーションしながら提案する。首藤支店長は「取引先の成長に融資は必要なものであり、いかに伴走しながら発展させていくか」を心掛ける。
取引先の産業廃棄物処理業者は、重機の修理を大手メーカーに直接依頼し時間を要していたため、メンテナンス中は本業の廃棄物の処理作業が中断する課題を抱えていた。首藤支店長は同行の販路開拓コンサルティング「Vサポート業務」で、契約先の大分県内の業者を紹介した。修理期間の短縮と作業効率の向上につなげた。この提案がきっかけで、22年11月には新たな重機の購入資金1億円を融資した。
自動車整備業者のM&A(合併・買収)もサポートした。中古車販売業も営む同社から21年春に事業拡大とノウハウ習得を目的に「同業者を買収したい」と相談を受けた。首藤支店長は譲渡を希望している僚店取引先の中古車店とのマッチングを提案。ソリューション支援部と連携し、21年夏に秘密保持契約を締結。自動車整備業者と月に最大10回面談し、将来性や買収後の相乗効果などを話し合った。22年11月に最終合意し、株式取得費用を融資した。
首藤支店長は「地場の企業を一つでも多く残して、地域を発展させることが地域金融機関の使命」と話す。
23年3月末業況=預金124億4827万円、貸出金157億5279万円。
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