【インサイト】Helpfeel 洛西一周CEO
2023.05.02 09:33
「自己解決」プラットフォームを提供するHelpfeel(ヘルプフィール)。FAQ(よくある質問)サイトの検索ヒット率を高めることでウェブサイトで顧客の疑問を解決し、電話などの問い合わせを削減する。既に地域銀3行が導入。また、対話型AI(人工知能)のChat(チャット)GPTを活用した運用を始めた。洛西一周CEO(40)に展望などを聞いた。
――事業内容は。
「独自アルゴリズムによって、入力された言葉から検索者が何を知りたいのか予測し、回答を素早く提示するシステムを提供する。従来のFAQサービスは、一つの質問からそれにあたる一つの答えを探していたため、パターンを多く作る必要があった。システムを活用することで、一つの回答から予測される質問を何十通りも自動生成し、エンドユーザーが文字を入力した瞬間に結果を表示する」
――金融機関への提供はどのように。
「専門用語や複雑な商品が多い金融機関と相性がよく、地域金融機関を中心に提供を拡大したい。『はんこ』や『印鑑』といった表記揺れに対応し、言い回しが異なっても回答に導く。また、回答だけでなく商品も提示する。例えば、お客さまが銀行のFAQサイトで『孫』と検索すると、『孫の教育資金を準備したい』と質問を自動予測し、最適な商品に導く。サイトで疑問を解決し、お客さまの電話や来店する手間を省く。現在、地域銀3行が導入、50行程と商談を進めている」
――チャットGPTは。
「チャットGPTを活用し、単語やメモ書きからエンドユーザーに提供できる水準の回答記事を作成する機能を公開した。チャットGPTを製品に組み込み、質問文の自動生成を補助することで、カバーできる語彙の充実も期待できる」
――チャットGPTを銀行業務でどう生かすか。
「問い合わせ業務での活用がメインになるだろう。特に、組織内のKnowWho(人的資源情報の蓄積)検索に役立つ。全行員が活用できれば、銀行業務自体が変わる可能性がある」