FRB、「SVB破綻」レビュー公表 ずさんな金利リスク管理指摘

2023.04.29 13:33
海外金融当局
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米連邦準備制度理事会(FRB)は4月28日、シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻に至った要因や背景を分析したレビュー結果を公表し、経営陣のずさんな金利リスク管理が破綻の主因と結論付けた。金融当局であるFRB自身にも監督・指導面での甘さがあったことを認めた。


FRBはSVBの破綻要因を①SVBの経営陣はリスク管理を怠った②監督当局は同行の規模拡大や複雑性が増していることを十分に認識していなかった③監督当局は同行の経営・財務面における脆弱性を感知した時、問題解決に向けて迅速に指導しきれなかった④「経済成長・規制緩和・消費者保護法(EGRRCPA)」を独自に解釈したSVBの対応や監督規制の緩和により、当局の監督効果が薄れた――とした。


今後、FRBは銀行監督の強化に乗り出す。経営規模急拡大に伴う脆弱性の深まりを当局が早期につかめなかった「反省」を踏まえ、監督時の迅速性や権限を向上させる。また、財務面の強靭性を高める観点から、大手行と比べて規制の緩かった資産規模1000億ドル以上の銀行の規制水準を引き上げていく。金利リスク管理のあり方についても経営陣への監督姿勢を強め、流動性リスク・自己資本規制は見直す方針を固めた。


今回の報告書は、全編で118ページに及ぶ。ある市場関係者は、「経営・財務面の脆弱性が急激に膨らんでいる金融機関を当局が察知した際、経営陣らとのコミュニケーションを通して行動変容を具体的に促すことは難しい」と、監督の実効性の課題や早期是正の重要性を指摘する。

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