いまさら聞けない時事用語 アジャイル経営

2023.04.30 04:30
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アジャイル経営 DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革が活発化するなかで、「アジャイル経営」という経営手法が注目されている。システムやソフトウェアの開発手法である「アジャイル型開発」から派生した言葉で、小さなチャレンジを繰り返しながら大きく育てることを目指すビジネススタイルを指す。
 従来のソフトウェア開発では「ウォーターフォール開発」という手法が主流だった。最初に全体の機能設計・計画を決定し、それに従って開発・実装していく。後戻りすることなく「要件定義→設計→開発→テスト→運用」の手順を踏むため、ウォーターフォール(滝)の名が付いた。完璧な計画や設計が求められるため、リリースまでに長い期間を要するというデメリットがある。
 一方、2000年代以降に登場したアジャイル型開発は、大きな単位でシステムを区切ることなく、小さな単位で実装とテストを繰り返して開発を進める。開発期間を大幅に短縮できるため、アジャイル(素早い)と呼ばれる。
 これと同様、アジャイル経営も「企画→実行→改善」という業務サイクルが速いことが特徴。例えば新たな商品・サービスを開発する場合、完璧を目指して企画に長い時間をかけることはせず、迅速に市場に出して顧客のフィードバックをもとに改善し、再び市場に出すという短期サイクルを繰り返す。積極的に実験して失敗を繰り返し、そこから学ぶスタイルといえる。
 金融機関は信用が重視される職種のため、失敗を嫌う企業文化が根付いている。金融機関にとって信用維持は何よりも重要だが、変革の時代に対応するためには失敗を恐れないアジャイル型ビジネスが適しており、従来の殻を破ることができるかが注目される。

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