【インサイト】パーセフォニ ジャパン 三浦健人カントリーマネージャー
2023.04.21 16:06
国際的に開示が求められつつある投融資先のGHG(温室効果ガス)排出量の測定。パーセフォニジャパンは、金融機関向けに脱炭素会計のプラットフォーム(PF)を提供している。投融資先を含めて自社の排出量を自動算定でき、複数の国内金融機関でも導入が予定されている。同社の三浦健人カントリーマネージャー(49)に金融界の脱炭素への動きや、先行する銀行の取り組みについて聞いた。
――国内外の脱炭素の動きは。
「国際的に脱炭素の取り組みが加速している。金融庁も連携するISSB(国際サステナビリティ基準審議会)では、投融資先の企業が排出したGHGも金融機関での算出が求められている。しかし、国内では多くの金融機関で投融資先の排出量まで把握できていないのが現状だ」
――正確な排出量算定に必要な対応は。
「国際的な排出算定基準やPCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ)に基づいた算定・報告が必要だ。しかし、算定は専門性が高く作業負担は大きい。そのため、各種算定基準に準拠し自動化できる当社のPFが有効と考える。取引先の財務・公開データから、投融資先の排出量を一括算定できることが特徴だ」
――金融機関の事例は。
「昨年8月に三井住友銀行が導入し、今年3月にはほくほくフィナンシャルグループ(FG)が地方銀行で初めて利用を開始した。ほくほくFGではGHG排出量を算定するためのデータが支店や部門に散在していた。そのために担当者がデータ収集と算定に多くの時間を費やしていた。PFを利用することで融資先も含めて一括で自動算定でき、大幅な効率化が見込める」
――今後の活動は。
「金融機関は取引先への脱炭素推進など社会的に重要な役割を担う。この役割を支援するため、今夏にPFの無償版を提供し金融機関の取引先支援に協力していく。排出量の算定作業など業務負担の多い部分はツールで効率化し、取引先企業の脱炭素化の推進のために伴走していきたい」
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