いまさら聞けない時事用語 単利と「複利」

2023.04.23 04:30
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アインシュタイン博士相対性理論を発見したアインシュタイン博士は「複利は人類による最大の発明だ」という言葉を残している。複利運用は雪だるま式に資産が増える、摩訶不思議な仕組みといえる。
 定期預金の金利計算には単利と複利がある。前者は、元本だけに利息がつき、利息は利息として定期的に受け取る。後者は、元本に利息を加えて再投資することによって、利息にも利子がつく。
 通常、3年以上の定期預金は単利か複利かを選択できる。預金利息の支払いは年2回。仮に「100万円を年利5%で5年間」預けた場合、満期日に受け取る金額は単利なら125万円。半年複利なら128万85円。複利の方が約3万円も得をする。ただ、単利なら半年ごとに2万5000円の利息を引き出せるが、複利だとそれができない点には注意が必要だ。
 証券会社の普通預金口座に相当するMRF(マネーリザーブドファンド)は、さらにお得な1カ月複利だ。さっきと同じ条件で計算すると5年後には128万3356円となり、半年複利よりも約3000円増える。
 複利の計算は極めて難解だが、「72の法則」は複利運用を行う際の分かりやすい目安となる。72という数字を利回りで割ると、元本が2倍になる年数が分かるというもの。年利6%で運用すれば12年でお金が2倍となり、年利9%なら8年で倍増する。
 これほどの高金利は非現実的に映るかもしれないが、約40年前には約8%の時代があった。その頃、まだ国営だった郵便局の「定額貯金」が、民間銀行の定期預金に圧勝したという話は有名だ。定額貯金は半年複利で最長10年まで預けられるため、10年後の満期時には元本が約2倍になった。一方、当時の民間銀行は最長2年の預金しか扱えなかったため、複利効果が乏しかった。
 日本ではゼロ金利やマイナス金利という異常な状態が長く続いているが、今後は金利の“復活”が期待される局面を迎える。金利復活後は、預金の複利効果が再び注目を集めるかもしれない。

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