【インサイト】浜名湖国際頭脳センター 森永春二代表取締役社長
2023.04.14 09:49
顧客との取引情報を地図上で表示する顧客管理システム「FAST」を販売する浜名湖国際頭脳センター。全国で12信用金庫が導入している。同システムの開発経緯と構築中のアンチマネーロンダリング(AML)リスク格付けシステムや、信金が実施する顧客のデジタル化支援について森永春二代表取締役社長(74)に話を聞いた。
――FAST開発の経緯は。
「2010年に遠州信用金庫から営業効率化の相談を受け、システムの共同開発を始めた。同信金が保有する顧客情報を弊社の地図情報システムで確認できるようにした。地図上で訪問履歴や、取引状況などを確認し、営業先の絞り込みができる。各営業店の重複エリアが一目でわかることから、店舗統廃合の計画策定に利用するケースもある」
――FASTの採用状況は。
「東海地方や東北地方、近畿地方などの信金が採用している。ユーザーからの紹介のほか、課題や要望に柔軟なカスタマイズをできることが利用拡大につながった。ある信金では、地図上に個人客の世帯情報として子供の学年を表示させ、教育ローンの推進に役立てている。また一定期間訪問のない取引先にはアラートを出すようにした」
――AMLリスク格付けシステムは。
「東海地方の信金からの要望を受けて委託開発している最中だ。その信金の事務部門の職員が副業の形で携わっている。継続的顧客管理の一環で定期的に集めている顧客の取引目的や属性情報をもとに、顧客のAMLリスクを格付けして判定するシステムだ。順調に進めば10月に仮稼働する予定だ」
――信金の取引先デジタル化支援は。
「中小企業の経営者はデジタル化をどのように進めればいいか悩んでいる。信金はベンダーや専門家を交えて課題解決につなげてほしい。成功事例ができれば、営業履歴から同じ課題を抱える先を抽出してより多くの企業を支援できるだろう」
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