日銀福岡支店、DIが4期連続改善 九州・沖縄の3月短観

2023.04.03 21:22
日本銀行 日銀支店長
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九州・沖縄の3月の短観について説明する濱田支店長(4月3日、日銀福岡支店)
九州・沖縄の3月の短観について説明する濱田支店長(4月3日、日銀福岡支店)

日本銀行福岡支店は4月3日、九州・沖縄の3月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。全産業の業況判断(DI)は前回の2022年12月調査から1ポイント改善の「プラス16」と、4期連続で改善。18年12月調査の「プラス18」以来の水準で、「ほぼコロナ前の水準」(濵田秀夫支店長)に戻りつつある。


製造業全体はプラス6で前回から横ばい。自動車関連の部品供給制約の緩和による生産改善、繊維や紙・パルプ業で原材料コストなど販売価格への転嫁、人流回復で飲食需要の増加による食料品が改善した。一方、半導体の需要鈍化による受注の弱含みや、鉄鋼などエネルギーコストの高止まりによる採算悪化で二極化した。


非製造業はプラス22と3ポイント改善した。4期連続で改善し、17年12月調査以来の水準。人流改善や経済活動の再開に伴う需要や売り上げ増が要因。特に、自動車ディーラーが自動車生産の持ち直しによる納車ペースの好転で、小売業が前回調査比22ポイント改善の30ポイントだった。


23年6月の先行きは、全産業が「プラス13」(変動幅3ポイント悪化)、製造業が「プラス10」(同4ポイント改善)、非製造業が「プラス15」(同7ポイント悪化)を見込んでいる。


濱田支店長は「製造業は海外経済の減速に伴う半導体の不透明感、非製造業は物価高やコスト上昇で先行きを慎重に判断する先も少なくない」と指摘。欧米の金融不安については現時点で影響はないものの「引き続き注視していきたい」と話した。

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