全銀協・加藤会長が就任会見 「金融不安のリスク低下」
2023.04.04 04:50
4月1日就任した加藤勝彦・全国銀行協会会長(みずほ銀行頭取)は同3日、記者会見を行った。米国地方銀行の破たんやクレディ・スイス・グループの経営不安が表面化したが、「各国の迅速な措置で歯止めがかかり、システミックリスクは低下している」との見方を示した。
金融不安は米シリコンバレー銀行(SVB)の破たんを機に欧米で広がった。クレディ・スイス・グループの経営不安に飛び火したが、スイス最大手のUBSによる買収決定で一定程度、沈静化している。加藤会長は「リーマンショックのような金融危機には陥らない」と強調した。
市場ではSVBの破たんを受け、預金流出の広がりに対する懸念が広がった。加藤会長は「(邦銀各行の)預金の粘着性が高く、同様の事象が起きる可能性は低い」と話した。
全銀協会長にみずほフィナンシャルグループ(FG)から就任するのは2018年度以来5年ぶり。会長ポストは3メガバンクグループや傘下行のトップが輪番で就くが、みずほFGは21年のシステム障害を受け、22年度の就任を辞退していた。加藤会長は「社会全体、銀行界にも大変ご迷惑・ご心配をかけた。その分、業界のために貢献していきたい」と表明し、システム障害の経験を全銀協の活動に生かす考えを示した。
23年度の活動方針は「社会・経済の持続的な発展を支え、明るい未来に繋げる1年」を掲げた。柱には、①経済の持続的成長と社会的課題解決への貢献②デジタル技術進展を踏まえた安心・安全で利便性の高い金融インフラの構築③金融システムの健全性・強靭性向上――の3点を据えた。加藤会長は「23年は我が国最初の銀行が開業してから150年の節目の年。不透明な状況が続いているが、社会・経済の持続的発展に貢献したい」と述べた。〆
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