「海外軸に成長を追求」 福留・三井住友銀頭取
2023.04.04 04:50
三井住友銀行では6年ぶりにトップが交代し、4月1日付で福留朗裕頭取(60)が就任した。入行後のキャリアの大半を海外部門で過ごした国際派で、トヨタ自動車の金融統括会社の社長を務めるなど異色の経歴を持つ。デジタル化とグローバル経営を進める福留新頭取に経営方針を聞いた。
ーー就任の抱負を。
「大役を引き継ぎ、身の引き締まる思い。前向きな気持ちを楽しみながら、仲間とともに日々前進していきたい」
ーー経営方針は。
「4月から始まった3カ年の三井住友フィナンシャルグループの新中期経営計画は、『成長』『変革』『質』の三本柱を打ち出し、特に成長を重視したいと考えている。推進力となるのは海外ビジネスで、アメリカを中心とした銀証連携ビジネスはリソースを投入し、他行と比べて劣る部分を補いながらリターンを追求する。東南アジアは長期目線で投資を続けながら、対象国とともに成長する〝マルチフランチャイズ戦略〟を確立していく」
ーーデジタル化が進む。
「3月に総合金融アプリ「Olive(オリーブ)」を開始するなどデジタル化を進めている。店舗は対面での顧客ニーズに対応する拠点として役割を刷新する。デジタルとフェース・ツー・フェースの〝ハイブリッド〟が当行の目指す姿だ。コロナ禍から対面がいかに重要かを学んだ。そこから得られる情報量は桁違いだ」
ーー顧客チャネルはどう変化する。
「他行に先駆けて店舗統合を進めており、これからは店舗環境に合わせて役割を変えていくことがポイントになる。既にアンテナショップのような店にも挑戦している。規模だけでなくサービスも見直し、お客さまの要望が強い休日対応を検討するなど柔軟性を高めたい。金融商品だけでなく、高齢者向けの会員制サービス『SMBCエルダープログラム』などのソリューションを提案する場としても期待している」
福留 朗裕氏(ふくとめ・あきひろ) 岐阜県出身、60歳。85年一橋大卒、三井銀(現三井住友銀)入行、14年4月執行役員、15年4月常務執行役員、18年1月トヨタ自動車常務役員、トヨタファイナンシャルサービス代表取締役社長、21年4月三井住友FG執行役専務、三井住友銀専務執行役員。
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