三井住友銀、法人サービスで地域銀と連携 取引先企業のDX後押し
2023.03.29 19:54
三井住友銀行は、2023年度から法人向けサービスで地域銀行と連携する新たな枠組みを構築する。これまで同行が開発を進めてきたシステムや運用面のノウハウを地域銀に提供し、その先にいる全国の中堅・中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする。3月29日時点で岩手銀行、三十三銀行、名古屋銀行、宮崎銀行の4行が枠組みへの参加を表明しており、他にも数十行が合流する見込みだ。
今回の枠組みでは、金融機関の非競争領域におけるツールやリソースを共有し、法人向けサービスのインフラにおける共通基盤の構築を目指す。システムを開発・運用するベンダーと連携し、法人ポータルサイトやインターネットバンキングなどのデジタルチャネルを強化することで、来店を必要とする法人口座開設や書類手続きをなくすなど、システムコストや費用を抑えながらミドルバックを含めた効率的な事務体制を実現する。
24年度までに連携する金融機関に対し、オンライン完結の法人口座開設、銀行諸届のオンライン受付が行えるようシステムを整備するとともに、三井住友銀が運用ノウハウやDX教育を支援することでタイムリーかつ効率的な運用を可能にする。
テクノロジーの進歩や法制度改定などから企業活動のDXが進む一方で、金融機関側がデジタルの手続きなど受け入れ態勢が整っていないことが課題となっている。三井住友銀は枠組みを通じてノウハウを地銀と共有することで取引先ニーズに対応し、全国の企業のDX支援を広げる。決済企画部の北谷展清部長は「参加金融機関が増えることでサービスを提供する事業者への魅力が高まる」と、全国展開を展望する。
さらに、24年度以降は、枠組みに参加する金融機関や事業者がAPI(データ連携の接続仕様)を通じて各社のサービスに相互でアクセスできるデジタルサービス販売プラットフォームを構築する。金融機関は金融サービスに加え、三井住友銀の企業活動における温室効果ガス排出量を算定するクラウドサービス「サスタナ」をはじめ、デジタルと相性のいい非金融サービスを各行の顧客ニーズに合わせて取捨選択し導入できる。
関連記事
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 地域銀7行が先行導入 マネロン機構のAIスコア
- 春の叙勲 金融界から24人
- 金融5団体と商工中金、適正な競争へ新枠組み 過去の民業圧迫踏まえ
- 地域銀・信金、取引先の経費削減支援 コンサル会社と連携拡大
- 京都信金、職員向け「京信大学」200回 講座受講者、延べ4000人超
- 十八親和銀、投信客への架電デスク新設 7万先にアプローチ
- Techで変える(2)宮崎銀、融資稟議書作成を自動化 業務時間は95%削減
- 日銀、政策金利を据え置き トランプ関税で海外経済減速見通し
- 大手損保、地銀の窓販デジタル化 火災保険、満期急増で
- SMBC日興証券、25年3月期純利益727億円 純営業収益はSMBC入り後過去最高