京都中央信金、初のサステナリンクローン実行 府制度で低費用
2023.03.29 19:13
京都中央信用金庫(京都市、白波瀬誠理事長)は3月29日、脱炭素を促すサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)を同27日に初めて実行したと発表した。融資先の費用を大幅に抑える京都府の独自制度「京都ゼロカーボン・フレームワーク」を活用した。
タクシー大手「エムケイ」に貸付期間8年で1億円を実行。同社は2030年までに全車両を走行中にCO2を出さない「ゼロエミッション車」に切り替えるため、メインバンクの同信金にSLLを依頼した。
融資条件として、同社はCO2排出量を23年度に19~21年平均比6%減、24年度に同7%減とする目標を設定。達成すれば同信金は融資金利を引き下げる。
京都ゼロカーボン・フレームワークは、環境省の承認を受けて府が23年1月に創設。府内1行3信金によるSLLの融資先は、京都府温暖化対策条例に基づく計画書を府に提出すれば、200万~300万円かかる通常の第三者評価が免除される。
同信金は地元での脱炭素の取り組み支援を重視。22年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、環境や社会の課題解決に向けた投融資を19~30年度に計5000億円とする目標を掲げた。23年3月現在の実行額は800億円弱。安川淳史専務は「脱炭素の社会的要請を知らない企業がまだ多い。今後、SLL以外の独自商品も加えて啓発を進めたい」と語った。
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