バンカメなど米大手11行が地銀支援、総額300億ドル預金
2023.03.17 14:04バンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースなど米銀大手11行は3月16日、経営難に陥っているカリフォルニア州サンフランシスコのファースト・リパブリック・バンクに総額300億ドル(約4兆円)の無保険の預金をすると発表した。これを受けてジャネット・イエレン財務長官、ジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長、マーティン・グルンバーグ連邦預金保険公社(FDIC)総裁、マイケル・シュウ通貨監督庁(OCC)長官代行が共同声明を発信し、歓迎の意を表明した。
各行の預金金額の内訳は、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴが各50億ドル。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーが各25億ドル。BNYメロン、PNCバンク、ステート・ストリート、トゥルーイスト、USバンクが各10億ドル。
ファースト・リパブリック・バンクは1985年に設立。富裕者層の資産管理などのプライベート・バンキングを主力事業とし、2022年6月末現在で総資産1979億ドル(全米18位)まで拡大した。
しかし、3月12日に同行がFRBとJPモルガン・チェースから流動性調達を行うことを発表すると、翌13日に同行の株価は約6割下落した。3月10日に明らかになったシリコンバレーバンク経営破綻の衝撃で預金者心理に不安が広がっており、市場は銀行のネガティブなニュースに反応しやすい状態が続いている。
イエレン財務長官らは共同声明で、「本日(3月16日)11行がファースト・リパブリック・バンクに総額300億ドルの預金を行った。この大手行グループによる支援は大いに歓迎すべきものであり、銀行システムの弾力性の強さを示すものである」と述べた。
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中堅の外資生保、乗合代理店からの要求に苦慮 変額保険手数料で
- 地域金融機関、半数の250機関が預金減 金利戻りパイ奪い合い
- 八十二銀、AIモデル開発50種に 投信販売モニタリングも
- 広島銀、金利再来でALM改革 各部門の収益責任 明確に
- 多摩信金、住宅ローン168億円増 業者紹介案件が4割強
- 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化 銀行界から反発受け 不正アクセス防止で
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- カムチャツカ半島付近でM8.7の地震 一部金融機関の店舗で臨時休業
- 金融庁、障害対応の強化要求 クラウド利用拡大で
- あおぞら銀の中野さん、金融IT検定で最高点 専門部門との対話円滑に