国内は「可能性低い」 SVB類似の破綻 鈴木金融相が見解
2023.03.15 13:30鈴木俊一金融担当相は3月15日午前の衆院財務金融委員会で、「シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻のような事例が日本で起きる可能性は現時点で低い」との見解を示した。理由として、米当局が信用不安を抑え込むための迅速な対応に動いたことや、国内銀行が充実した流動性・資本基盤を維持していることを挙げた。
鈴木大臣は現地時間10日に経営破綻したSVBについて、「そもそも資金流出が起こりやすい大口の法人預金が多い預金構造であったところ、保有債券の売却損と急激な資金流出が生じるなかで資金繰りが行き詰まって経営破綻に至った」と指摘した。そのうえで、国内銀については「一般的に小口の個人預金が多く、状況が異なる」と述べた。
国内銀の有価証券運用についても、外国債券の評価損を抱えている一方、株式の含み益があると指摘。2022年12月期決算時点で「銀行の有価証券の評価損益全体がプラス、つまり評価益が出ている」とした。
鈴木大臣はSVBの破綻問題に関して、14日の閣議後記者会見でも「日本の金融システムの安定に重大な影響を及ぼす可能性は低い」との認識を示していた。
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