しののめ信金、出資で承継支援 投資子会社とファンド
2023.03.12 04:50
しののめ信用金庫(群馬県、横山慶一理事長)は、4~6月をめどに投資専門子会社との共同出資でファンドを組成し、出資を活用した事業承継支援に乗り出す考え。3月1日、同信金初の子会社となる100%出資の「しののめキャピタル」を開業。子会社を通じて事業会社の議決権10%以上を保有できる規制緩和を生かし、支援の幅を広げる。
子会社は同信金高崎東支店2階に本社を置き、同信金から出向した小林忠親社長と小関雅史部長の2人体制。資本金は3000万円。出資先は群馬県を中心に開拓する。業種や企業規模に関係なく「事業承継問題の解決により今後の成長や地域経済への波及効果が見込める先」(しののめキャピタル)を中心に抽出する。
同社や同信金営業店が集めた案件情報は本部の法人営業部に集約し、同信金の融資や子会社からの出資、外部連携先の紹介など支援メニューの中から対応を検討。出資が望ましい案件は同部の兼務担当者2人を通じて改めて子会社に推薦する。稟議など実務は子会社が担う。
出資先の企業価値向上のため、出資比率に応じて企業オーナーや非常勤取締役、監査役などに就いたり、経営会議に出席したりして助言するなどハンズオンで支援する。後継者育成に役立つ若手経営者塾を紹介するなど、同信金の支援メニューも活用する。
同信金は「当金庫グループとして地域客への金融支援を拡充していく」としている。