日本生命、内勤職5.5%賃上げへ 過去30年で最大規模に
2023.03.08 15:00
日本生命保険は、内勤職員を対象に人件費総額5.5%程度の賃上げを実施する方針を固めた。月例給の増額や定例昇給、一時金などを合わせると50億円を超える投資となる見込み。同社によると「内務職員領域では、ここ30年間で最大規模の資源投資」という。3月7日に労働組合側に会社回答し、妥結に向けて交渉を進めていく。
対象は約2万人の内勤職員。会社回答は、月例給の増額や定例昇給、一時金の支給に加え、22年10月の時給スタッフの給与改正も合わせて、人件費総額5.5%程度の賃上げを実施するという内容。時給スタッフの給与改正を除き、23年4月以降、給与に反映させていく。
月例給増額の対象は約1万6500人の内勤職員。「職務能力開発手当」という項目を新設し、コロナ禍で実務者層として尽力した非管理職層に1万円、管理職層には5000円をそれぞれ支給する。
22年10月に先行して実施した時給制スタッフの給与改正では、本社・本部で総務関連の業務を担う約5000人の時給を70~300円程度引き上げた。年収ベースでは約15%増額となったという。
23年7月には、時給制スタッフを含む内勤職約2万人に対し、「中期経営計画最終年度の目標達成の後押し」として、役職に応じて最大10万円の一時金を支給する。
同社は環境面の対応として「人への投資」にも引き続き取り組む。介護との両立層への「日数限定勤務制」を導入する。また、社外からの副業人材の受け入れや社内副業の試行開始なども労組側への会社回答に明記した。
生命保険業界では、内勤職員の賃上げをめぐる動きが活発化。第一生命保険では1995年以来、28年ぶりとなる内勤職員のベースアップ(ベア)を実施する方針を表明。ベアと定期昇給を含め約5%程度の賃金引上げを実現する計画を示している。
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