東京都、スタートアップの祭典 初開催 「東京の本気」世界へ
2023.02.28 20:07
東京都は2月27、28日、国内外のスタートアップ、投資家などが一堂に会するグローバルイベント「City-Tech.Tokyo」を初開催した。都は2022年11月に新たなスタートアップ戦略を策定し、東京発ユニコーン企業数5年で10倍などの目標を掲げる。41カ国・地域のスタートアップ328社が出展し、会場は盛り上がりをみせた。オンライン参加を含む2日間の参加者総計(速報)は2万6746人(うち来場者数は計1万1167人)に上った。
冒頭の主催者スピーチで登壇した小池百合子都知事は、「東京都の本気度を感じてください」と参加者らを前に英語で訴えた。都は23年のスタートアップ関連事業の予算を前年から約1.5倍に拡大。また新戦略の一環で24年度にアジアのスタートアップ支援拠点の開業も控え、エコシステムの構築に力を注ぐ。

展示場ではフィンテックに加え、インフラや環境、ヘルスケアなどさまざまなジャンルの新興企業が自社の取り組みを紹介。国内の大手企業も参加するなか、金融界からは羽田空港に隣接したインキュベーション施設を運営する東京きらぼしフィナンシャルグループが出展した。視察を終えた小池都知事は「東京にスタートアップが集積しそこから花開き、そして、世界を目指す。そういう出発点になればいい」と期待する。

また建築家の隈研吾氏をはじめ世界各国の著名なスピーカーによるトークセッションに加え、ピッチコンテストも行われた。同コンテストでは、35の国・地域から338社からの応募があり、20社(日本8社、世界12社)が準決勝に出場した。28日には決勝戦が開かれ、核融合発電により世界のエネルギー問題を解決する京都フュージョニアリング(東京都千代田区)が優勝に輝いた。同社には賞金1000万円が授与された。都は24年5月にCity-Tech.Tokyoの第2回を開催すると公表した。