H. I. F.、ベンチャーデット保証開始 成長産業の育成支える
2023.03.01 04:52
H. I. F.は3月1日、AI(人工知能)を用いた与信審査SaaS(サービスとしてのソフトウェア)を活用し、ベンチャーデットの保証を開始した。財務諸表から返済能力を判断しにくいスタートアップやベンチャー企業の資金繰りを支え、成長産業の育成につなげる。デット融資の保証を手掛けるのは、国内で珍しい。
融資審査は通常、決算書を始めとした財務諸表を用いて審査されるため、経営実績の乏しいスタートアップや先行投資がかさむ企業では、融資を受けるまでに時間を要する。そこで同社は、創業1日の企業にも融資が実行されるスキームを構築した。
同社のAIは法人を審査する場合、経営者のSNSや企業ホームページなど公開されている、定性情報から未回収事例の共通項を見つけ出し、分析や推論を行う。これまで売掛債権やリース、家賃などを保証し、未回収率は0.09%と、性質が異なるとはいえ金融機関の未回収率と比べ1割に抑制されている。
利用には、ベンチャー企業から同社に与信スコアを申請。同社と保証契約を結んだ金融機関にこのスコアを基持ち込み、融資が実行される。契約先は2社からスタートし、4月ごろには地域銀行の参画も予定している。保証額は全額だ。
ベンチャー企業の資金調達として株式発行もあるが、経営者の権利が希薄化する可能性があり、「デットファイナンスを受けたい企業は山ほどいる」(東小薗光輝CEO)。2023年度に20億円の保証額を引き受け、3年後には保証残高1000億円を目指す。
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