開眼 新しい地方住まい

2023.02.24 04:01
開眼
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最近、いくつかの日本の地方都市を訪ねた。確かに駅前の目抜き通りはさびれているのだが、ちょっと離れれば、おしゃれで新しい一戸建てが立ち並ぶ住宅地が広がる。巨大な駐車場に囲まれ、中に入れば東京と変わらない店やおしゃれなカフェがあり、人でにぎわう巨大なモールもそびえる。筆者は米国のいくつかの地方都市に住んだことがあるが、その地方ごとの独自性が薄いことも含め、いつのまにかに日本の地方都市も米国に似てきたなと思った。
 米国では、地方が元気だとよく言われるが、多くの人が住んでいるのは都市近郊で、そこであれば米国のどこでも同じような生活が送れる。日本も、こういった住宅地であれば、東京郊外と変わらない生活が送れるのではないか。それも低コストで。コロナ禍で広まったリモートワークもIT技術者等を中心に、今後も定着しそうだ。そうであれば、こういった地方都市の住宅地に住んで生活を楽しみ、ときどき大都市に出勤するというのは、今の若い世代にも魅力的に映るだろう。
 各地で地方創生に向けた取り組みが続けられているが、昔の姿を取り戻すことを諦めきれないようにも見える。むしろこうした新しい地方住まいの姿とその魅力をアピールしていくことが、若い人や子育て世代に残ってもらい来てもらうために効果的でなかろうか。地域金融機関の若い職員の方々も同じような感覚だろう。そうした人たちの声も聴きつつ、新しい地方創生のあり方を模索していければと思う。
(紅雪)

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