NISAの日 イベント開く 岸田首相「新制度待たず上手に活用を」
2023.02.11 17:27
日本証券業協会、日本取引所グループ(JPX)、投資信託協会は2月11日、「NISAの日(2月13日)」を前に記念イベントを開催した。岸田文雄首相がメッセージ動画を寄せたほか、木原誠二内閣官房副長官や金融庁の中島淳一長官などによるパネルディスカッションを実施。会場に約90人が参加したほか、オンラインでも配信。2024年からのNISAの抜本的拡充・恒久化を踏まえ、制度の普及・利用促進を訴えた。
冒頭、日証協の森田敏夫会長は人生100年時代を迎えるなか、「三つの寿命を伸ばしていくことが重要」とし「健康寿命」「職業寿命」に次いで「資産寿命」を挙げた。同イベントを通して「資産形成について、皆さまにとって何らかのきっかけになれば」と述べた。
岸田首相はメッセージ動画で新NISAについて「来年の新しい制度の開始を待つことなく、本年のうちに開設していただくことで、より大きな非課税枠を利用できる。上手にご活用いただきたい」とコメントした。
官民の代表者らによるパネルディスカッションでは、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」をテーマに議論。「投資信託は個人の投資を未来を変える力に変換できる仕組み」と語る投信協の松谷博司会長は、少し投資に慣れてきたら「意思のある、考える投資をしていただきたい」と強調した。
モデレーターでコモンズ投信の渋澤健会長は、最近、NISAを始めた10代の声を紹介。アドバイスを求められた金融庁の中島長官は「株価に右往左往しないで自分のライフステージ合わせて、NISAとずっと付き合っていく。これがいいのではないか」と答えた。
読売巨人軍前監督の高橋由伸さん、フリーアナウンサーの馬場典子さんをゲストに招き、日証協の森田会長とのトークセッションも行われた。参加者からの投資やNISAなどに関する質問にも回答した。
閉会挨拶でJPXの清田瞭グループCEOは、市場運営者として「みなさまに投資したいと思っていただけるような上場企業の企業価値の向上、促進や資産形成に資する上場商品の提供、市場インフラの利便性向上などを通じ、市場の魅力をより一層高めるべく尽力していく」と語り、イベントを締めくくった。
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