3メガの同一初任給 12年ぶり打破 三井住友銀、5万円引き上げで

2023.02.09 04:50
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3メガバンクグループで、2011年以来同一水準だった初任給が、12年ぶりに打破する動きが生まれる。三井住友銀行が2023年4月に入行する新卒の初任給を5万円引き上げる方針を固めた。みずほフィナンシャルグループ(FG)も24年4月新卒入社の初任給を増額する方針で、大手の地方銀行でも追随する動きが出てきそうだ。


3メガは11~22年度まで大卒初任給が20万5000円で横並びだった。三井住友銀行は07年以来16年ぶりに25万5000円に改定する。足元の物価上昇への対応や若手行員のモチベーション向上が狙いで、賃金逆転を防ぐため、2~3年目の給料を調整する。また、別途従業員組合との賃金交渉も実施していく。みずほFGは24年度の新人事制度導入に合わせ、13年ぶりに引き上げる。同制度は役割や成果に応じた処遇を行い、〝脱一律〟をめざすもの。三菱UFJ銀行は現在検討中としている。


厚生労働省の19年の賃金動向基本統計調査によると、金融・保険業の大卒初任給は20万7900円と、産業別の平均21万500円をやや下回っている。金融・保険業は、20代後半から50~54歳の賃金ピークまでの賃金上昇率が高いと言われ、昇格と給料増加の結びつきが強い。


賃上げの背景には、新卒採用人数の抑制やデジタル化による生産性向上・経費削減により、人件費増額の原資が捻出できた側面もある。3メガは構造改革で、17年以降急速に新卒採用を抑さえ、23年度の新卒採用者は全体で1285人(予定)と、17年度比75%減少している。

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