【推薦図書】『歴史を読み解く城歩き』(千田嘉博著)
2023.02.10 04:45
【推薦者】青山学院大学教授・落合 功氏
「城攻め」攻略本
歴女たちは、城めぐりをすることを「城攻め」というそうだ。城の特定な場所(見どころ)を回れば、城攻めが完了したということだ。
かつて筆者は岐阜城(稲葉山城)を登ったことがある。もちろんロープウェイではない。いくつかの登山道のうち、「馬の背ルート」は本当に危険だそうだが、自分が登った「めい想の小径」も大変だ。最後は四つん這いになり山頂に到着した。織田信長が攻略するのに5年以上の歳月を費やした城を私は1時間程度で攻略した。
城は、多くの人々のドラマの場所である。城を枕に討ち死にした人もいれば、喜びの盃を交わす場所でもある。日常なら執務の場所でもあった。城の立地には理由があるので、天守閣からの眺望も興味深い。世が世であれば、我々が立ち入ることはできない場所である。『歴史を読み解く城歩き』は、城郭研究の第一人者が城めぐりのコツを紹介してくれている。同書を読むと、城それぞれの「こだわり」や「風土」「伝統」がよくわかる。また、「安土城は何故再建されないのか」など、ちょっとした疑問にも答えてくれる。是非、一読をお勧めしたい。
(朝日新書、税込み1001円)
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