【人づくりのヒント】女性管理職、10年で10倍
2023.02.10 04:45
仙台銀行・子育て期間も「安心して働ける」環境に
【仙台】仙台銀行は、法定基準を上回る育児休業や育児短時間勤務制度を整えるなど、育児中の女性行員が仕事と家庭を両立できる環境を整えている。契機は、鈴木隆頭取が2014年の年頭所感で「人で勝負する銀行」を目指すと宣言したこと。現在は「行員が仕事を通じて自己実現でき、自己成長できる職場」づくりに取り組んでいる。12年4月に1.2%だった女性管理職比率は、22年4月時点で12.7%に上昇。10年間で10倍となった。
鈴木頭取の宣言を受けて、同行の育児休暇期間は法定の最長2歳に対して満3歳まで取得でき、育児短時間勤務制度は「小学校卒業まで」利用可能になった。介護休業や介護休暇制度も法の定めを上回る制度にした。
後藤寧子・総務部人事課長は「行員が安心して働けるよう、福利厚生に力を入れた」と語る。後藤課長自身も2人の子育て中だ。
18年4月には、企業主導型保育事業として、ちゃいるどらんど「南小泉じもと保育園」を開設した。仙台市への人口流入が続き、保育所に入所できない「待機児童問題」が育児中の行員を悩ませていたが、行員や取引先の子弟を優先的に受け入れている。その後も提携などで計12カ所の保育所が利用可能になった。こうした施策が評価され、厚生労働省から「プラチナくるみん」などを認定された(下表)。
女性行員のキャリアアップの支援にも力を入れ、16年12月に女性融資渉外育成セミナーを開催。定員を超える35人が応募した。17年5月には、男女を問わず受講できる「ゼロから始める融資渉外研修」も開始。年1回、行員の実力を6段階で評価するようにした。
23年1月4日の年頭所感で、鈴木頭取は「今年は管理職のコーチングやマネジメント力向上に力を入れる」と発信した。これを受けて、1月16日に管理職を目指す人材向けに「リーダーシップ能力育成セミナー」を初めて開催。2月10日には営業店次長向けの研修も予定し、管理者スキルの一層の向上を目指す。
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